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気管支喘息

喘息とは

喘息の定義と特徴

喘息は、慢性的な呼吸器疾患であり、気道の炎症と過敏性によって特徴付けられます。

 

定義:

喘息は、気道の炎症と収縮によって引き起こされる慢性的な呼吸器疾患です。気道の炎症によって気道が腫れ、狭くなり、過敏になります。この結果、呼吸が困難になり、ゼーゼー・ヒューヒュー(喘鳴)や呼吸困難などの症状が現れることがあります。

 

特徴:

  1. 呼吸器の炎症: 喘息は、気道の炎症が主要な特徴です。気道の炎症によって、気道壁が腫れ上がり、粘液が増加し、気道の通り道が狭くなります。

  2. 気道の過敏性: 喘息では、気道が通常よりも過敏に反応する傾向があります。通常は無害な刺激物やアレルゲンに対しても、気道が過剰に収縮し、症状が引き起こされることがあります。

  3. 発作的な呼吸困難: 喘息の特徴的な症状は、発作的な呼吸困難です。喘息発作では、気道の狭まりによって呼吸が困難になり、胸部の圧迫感、喘鳴、咳、息切れなどが現れることがあります。

  4. 症状の変動: 喘息の症状は、患者様によって異なる場合があります。症状は日々の変動や季節の変化によっても影響を受けることがあります。一部の患者様では、定期的な症状や発作があったり、症状が長期間継続する場合もあります。

 

喘息の種類と分類

喘息はいくつかの種類に分類されることがあります。以下に一般的な喘息の分類をいくつか説明します。

  1. アレルギー性喘息: アレルギー性喘息は、アレルゲンによって引き起こされる喘息の形態です。通常、アレルギー反応が喘息の症状を引き起こします。花粉、ハウスダスト、ペットのアレルギーなど、患者様の免疫系が反応する物質が触れることで発作が引き起こされることがあります。

  2. 非アレルギー性喘息: 非アレルギー性喘息は、アレルゲンではなく他の刺激や要因によって引き起こされる喘息の形態です。冷たい空気、煙、ストレス、運動などが喘息の発作を引き起こすことがあります。

  3. 運動誘発性喘息: 運動誘発性喘息は、運動や身体的な活動によって引き起こされる喘息の形態です。通常、運動の開始後10〜15分以内に発作が現れ、運動の終了後に自然と軽減することが特徴です。

  4. 誘因物質による喘息: 特定の化学物質や物理的な刺激によって引き起こされる喘息の形態です。例えば、化学物質や煙に曝露されることによって喘息の症状が悪化することがあります。

 

喘息のメカニズム

喘息のメカニズムは、通常の呼吸と比較して異常な反応が起きることによって引き起こされます。

  1. 気道の炎症: 喘息の主な特徴は気道の炎症です。気道の内壁に炎症が起こり、腫れや狭窄が生じます。この炎症により、気道の筋肉が収縮し、気道が狭くなります。

  2. 気道の過敏性: 喘息の方では、気道が通常よりも過敏に反応します。アレルゲン、刺激物、冷たい空気などの刺激によって気道が収縮し、症状が引き起こされます。

  3. 粘液の過剰産生: 喘息の方では、気道の炎症により粘液が過剰に産生されます。この粘液が気道を詰まらせ、呼吸が困難になることがあります。

  4. 気道の狭窄: 炎症や気道の収縮により、気道が狭くなります。この狭窄によって、空気の通り道が狭まり、呼吸が困難になります。

  5. 発作の引き金: 様々な要因が喘息の発作を引き起こすことがあります。アレルゲン、冷たい空気、煙、感染症などが喘息の発作を誘発することがあります。

これらのメカニズムによって、喘息の症状が発生し、呼吸困難や咳、ゼーゼーとした呼吸音(喘鳴)などが現れます。

 

喘息の症状とは

喘息の典型的な症状

  1. 呼吸困難: 喘息の主な症状であり、息苦しさや呼吸が浅くなる感覚があります。特に吸気時に顕著に現れることが多いです。

  2. 咳: 喘息の発作では、特に夜間や早朝に咳が悪化することがあります。

  3. ゼーゼーとした呼吸音(喘鳴): 喘息の発作時には、呼吸音が変化し、ゼーゼーとした呼吸音(喘鳴)が聞こえることがあります。これは気道の狭窄や粘液の過剰産生によるものです。

  4. 胸の圧迫感: 喘息の発作中、胸に圧迫感や重苦しさを感じることがあります。これは気道の狭窄によるものです。

  5. 発作の誘因による症状の悪化: 特定の刺激物やアレルゲンによって喘息の発作が誘発されることがあります。花粉、ハウスダスト、煙、冷たい空気などが一般的な誘因として挙げられます。

これらの症状は、喘息の発作時に現れるものであり、個人によって症状の程度や頻度は異なります。重症な喘息の場合、症状が日常生活に大きな影響を及ぼすこともあります。喘息の症状は発作として現れることが多いため、適切な治療と予防策の管理が重要です。

 

喘息発作の特徴

  1. 突然の発症: 喘息の発作は、通常、急激に始まります。突然、息苦しさや呼吸困難が現れることがあります。

  2. 呼吸困難: 発作中は、呼吸が浅く速くなります。吸気や呼気が困難で、胸の圧迫感や息苦しさを感じることがあります。

  3. ゼーゼーとした呼吸音(喘鳴): 喘息の発作中、気道の狭窄や粘液の過剰産生により、ゼーゼー・ヒューヒューとした呼吸音(喘鳴)が聞こえることがあります。

  4. 咳: 発作では、特に夜間や早朝に咳が悪化することがあります。乾いた咳から粘液を伴う咳に変わることもあります。

  5. 発作の誘因: 特定の刺激物やアレルゲンによって喘息の発作が誘発されることがあります。花粉、ハウスダスト、ペットの毛、冷たい空気などが一般的な誘因として挙げられます。

  6. 発作の軽減: 発作が継続している場合でも、適切な治療や使用する吸入器具により症状が緩和されることがあります。

発作の症状や重症度は個人によって異なります。また、発作の頻度や期間も人によって異なります。喘息の発作は、適切な治療と予防策の管理によりコントロールすることが重要です。

 

喘息の原因とは

アレルギー性喘息の原因

アレルギー性喘息は、特定のアレルゲンに対する過敏反応が原因で起こる喘息の一種です。

  1. アレルゲン物質: アレルギー性喘息の主な原因は、環境中に存在するアレルゲン物質です。一般的なアレルゲン物質には、花粉、ハウスダスト、ダニ、カビ、ペットの毛や皮屑などがあります。これらの物質に触れたり吸い込んだりすることで、免疫系が過剰反応を引き起こし、気道の炎症や収縮が起こることで喘息の症状が現れます。

  2. 空気の汚染物質: 大気中の汚染物質や化学物質も、アレルギー性喘息の原因となる場合があります。排気ガス、工業排出物、タバコの煙などの有害な物質は、気道の炎症や過敏性を引き起こし、喘息の発作を誘発する可能性があります。

  3. 食物アレルギー: 一部の方にとって、特定の食品へのアレルギー反応も喘息の原因となることがあります。例えば、卵、乳製品、魚、貝類、小麦、大豆などの食品アレルゲンが引き金となり、気道の炎症や喘息の症状を引き起こすことがあります。

  4. 特定の薬品や化学物質: 一部の方は、特定の薬品や化学物質に対して過敏な反応を示すことがあります。例えば、アスピリンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの薬品がアレルギー性喘息を引き起こすことがあります。

アレルギー性喘息は個人の感受性によって異なるため、具体的な原因は個人によって異なる場合があります。アレルギー性喘息を持つ人は、自身のトリガー要因を特定し、それらを避けることや適切なアレルギー管理を行うことが重要です。

 

非アレルギー性喘息の原因

非アレルギー性喘息は、アレルギー反応によらずに喘息の症状が現れるタイプの喘息です。

  1. 呼吸器感染症: 風邪やインフルエンザなどの上気道感染症や、気管支炎、肺炎などの下気道感染症が非アレルギー性喘息の発作を引き起こすことがあります。感染によって気道が刺激され、炎症が起こることで喘息の症状が現れる場合があります。

  2. 運動性喘息: 運動によって喘息の症状が誘発されることがあります。運動性喘息は、運動中や運動後に起こる呼吸困難や喘鳴、咳などの症状が特徴です。

  3. 冷気や乾燥などの環境刺激: 冷たい空気や乾燥した空気、大気中の化学物質や粉塵などの環境刺激が非アレルギー性喘息の発作を引き起こすことがあります。これらの刺激によって気道が収縮し、症状が現れることがあります。

  4. ストレスや感情の影響: ストレスや強い感情(怒りや興奮など)が非アレルギー性喘息の発作を引き起こすことがあります。心理的な要因が気道の収縮や炎症に関与し、喘息の症状を悪化させることがあります。

  5. 遺伝的要因: 非アレルギー性喘息は遺伝的な要因によっても影響を受けることがあります。家族歴に喘息がある場合、非アレルギー性喘息を発症するリスクが高まることがあります。

非アレルギー性喘息はアレルギー性喘息とは異なる原因によって引き起こされるため、治療や管理のアプローチも異なる場合があります。喘息の症状を引き起こす具体的な要因を特定し、それに対して適切な対策を行うことが重要です。

 

環境要因と喘息の関連

環境要因は、喘息の発症や症状の悪化に関与することがあります。

  1. アレルゲン: 環境中のアレルゲン(花粉、ダニ、ハウスダスト、ペットのアレルギーなど)は、アレルギー性喘息の主なトリガーとなります。これらのアレルゲンに曝露することで、気道の炎症や過敏性が引き起こされ、喘息の症状が現れる可能性があります。

  2. 大気汚染物質: 自動車の排ガスや工場からの排出物などの大気汚染物質は、喘息の症状を悪化させることがあります。これらの物質は気道を刺激し、炎症を引き起こすことで喘息の発作を誘発する可能性があります。

  3. タバコの煙: 喫煙や受動喫煙は、喘息の症状を悪化させることが知られています。タバコの煙に含まれる有害な化学物質は、気道を刺激し炎症を引き起こすため、喘息の発作を誘発する可能性があります。

  4. 室内環境: 室内の湿度やカビ、ダニの存在など、室内の環境も喘息の症状に影響を与えることがあります。湿度が高い場所やカビの発生しやすい場所では、気道の炎症が増加し、喘息の症状が悪化する可能性があります。

  5. 気候変化: 気候の変化や季節の変化も喘息の発作を引き起こすことがあります。特に寒冷な気候や乾燥した空気は、気道を刺激し、喘息の症状を悪化させる可能性があります。

喘息を管理するためには、これらの環境要因に注意し、可能な限りトリガーを避けることが重要です。また、適切な室内環境の維持や、マスクの着用などの対策も喘息の管理に役立ちます。

 

喘息の診断方法とは

喘息の診断基準

喘息の診断には、以下の基準が一般的に使用されます。

  1. 症状の評価: 症状を詳しく問診し、喘息に典型的な症状があるかどうかを確認します。典型的な症状には、呼吸困難、喘鳴、胸部の締め付け感、咳などが含まれます。

  2. アレルギー検査: アレルギー性喘息の場合、特定のアレルゲンに対する過敏性が存在することがあります。アレルギー検査によって、アレルゲンに対する免疫反応を調べることができます。

これらの診断基準を総合的に考慮し、喘息の診断を行います。必要に応じて、他の疾患との鑑別や追加の検査が行われることもあります。

 

喘息の発作の評価

未治療の喘息の重症度は下図にように、軽症間欠型、軽症持続型、中等症持続型、重症持続型の4段階に分かれます。

 

 

軽症間欠型

軽症持続型

中等症持続型

重症持続型

頻度

週1回未満

週1回以上だが毎日ではない

毎日

毎日

強度

症状は軽度で短い

月1回以上日常生活や睡眠が妨げられる

週1回以上日常生活や睡眠が妨げられる/しばしば増悪

日常生活に制限/しばしば増悪

夜間症状

月に2回未満

月に2回以上

週1回以上

しばしば

 

この重症度を参考に薬物治療(長期管理薬)の用量や種類を調整していきます。

 

喘息の治療方法とは

喘息の急性発作の治療

救急処置と緊急薬の使用

喘息の急性発作の治療は、以下のようなアプローチが一般的です。

  1. 短時間作用型β2刺激薬(SABA)の使用: SABAは気道の平滑筋を弛緩させ、急性発作の症状を迅速に緩和する効果があります。代表的なSABAとしては、塩酸サルブタモールや硫酸アルブテロールがあります。

  2. 追加短時間作用型β2刺激薬の使用: 発作が重篤な場合やSABAだけでは効果が不十分な場合、追加のSABAの投与が行われることがあります。ただし、頻繁な追加投与は避けるべきです。

  3. ステロイドの使用: 重症な喘息の場合やSABAの単独投与で十分な効果が得られない場合、全身または吸入ステロイドの使用が検討されます。これには、点滴や経口のステロイド薬剤や吸入ステロイド薬剤が含まれます。

  4. 追加治療薬の使用: 重篤な喘息発作やステロイド治療に反応しない場合、追加の治療薬が考慮されることがあります。例えば、抗コリン薬やメチルキサンチンなどが使われることがあります。

 

喘息吸入薬の使用方法

喘息吸入薬の使用方法について一般的なガイドラインを以下に示します。

  1. 手洗い: 手をしっかりと洗い、清潔な状態で吸入器を扱います。

  2. 吸入器の準備: 吸入器を正しく準備します。具体的な手順は吸入器の種類によって異なるので、医療機関の指示に従ってください。必要に応じて、吸入器に薬剤をセットしたり、キャップを取り外したりする作業が含まれる場合があります。

  3. 前準備の呼吸: 深呼吸を行い、吸入器を使う前に呼気をしっかりと吐き出します。

  4. 正しい位置での吸入: 吸入器を口に適切に持ち、口でしっかりと密閉します。吸入器の発射ボタンまたはトリガーを押すと、薬剤が噴霧されます。同時に深く吸い込みます。一般的に、吸入のタイミングでボタンを押し、ゆっくりと息を吸い込むようにします。

  5. 指示に従う: 吸入器の使用方法は各種薬剤によって異なる場合があります。医療機関から指示で正しい使用方法に従ってください。吸入回数や投与量も指示通りに守りましょう。

  6. 口の中をすすぐ: 吸入後は、口の中を水ですすぐか、歯を磨くことで、薬剤の残留を除去します。

吸入薬の正しい使用方法は、効果的な治療を行うために重要です。必ず医療機関からの指示に従い、吸入器の使い方を正しく理解してください。

 

喘息の発作の自己管理

喘息の発作の自己管理は、日常生活での症状の管理と発作の予防に役立ちます。

  1. 日常的な管理: 指示された吸入薬やその他の薬を適切に使用します。定期的な通院や検査を受け、症状の管理と喘息のコントロールを行います。

  2. トリガーの回避: 自身の喘息のトリガーを知り、可能な限り回避します。一般的なトリガーとしては、アレルゲン(ハウスダスト、花粉など)、冷たい空気、喫煙、感染症、運動などがあります。

  3. 正しい吸入器の使用: 吸入器を正しく使用し、薬剤を効果的に吸入します。医療機関の指示に従って、吸入器の使い方を学びましょう。

  4. 症状のモニタリング: 自身の喘息の症状をモニタリングし、症状が悪化した場合や通常の症状と異なる場合は、早めに医療機関に相談しましょう。

  5. 呼吸法の練習: 呼吸法のトレーニングを行い、正しい呼吸を習得します。深くゆっくりとした呼吸や腹式呼吸は、喘息の症状を軽減するのに役立ちます。

  6. 緊急時の対応: 発作が重篤化した場合や症状がコントロールできない場合は、速やかに医療機関や救急医療を受けるようにします。

喘息の発作の自己管理は、症状のコントロールと生活の質の向上に役立ちます。しかし、自己管理だけでなく、医療機関の定期的なフォローアップや適切な治療計画の確立も重要です。

 

喘息の日常管理と予防

日常的な喘息の管理計画

喘息の日常管理と予防は、症状の管理と喘息の発作の予防に重要です。

  1. 吸入薬の使用: 指示された吸入薬を正しく使用しましょう。喘息のコントロールには、炎症を抑えるコントローラー吸入薬と発作時の症状を和らげる救急用吸入薬があります。医療機関の指示に従って正確に吸入しましょう。

  2. トリガーの回避: 個々の人にとっての喘息のトリガーを特定し、可能な限り回避するように心がけましょう。一般的なトリガーにはアレルゲン(ハウスダスト、花粉など)、喫煙、冷たい空気、感染症、ストレスなどがあります。

  3. アレルギー管理: アレルギー性喘息の場合、アレルゲンへの感受性を管理することが重要です。アレルギーの原因物質を避けたり、アレルギー治療を受けることで、喘息の症状を軽減することができます。

  4. 健康的な生活習慣: 健康的な生活習慣を維持しましょう。バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレス管理などは喘息の管理に役立ちます。

  5. フォローアップ診察: 定期的に医療機関のフォローアップを受けましょう。症状の経過や治療効果の確認、必要に応じた治療の調整などを行います。

 

トリガーの回避と環境の管理

喘息のトリガーを回避し、環境を管理することは、喘息の管理と発作の予防に非常に重要です。

  1. アレルゲンの回避: 喘息のトリガーとなるアレルゲン(ハウスダスト、花粉、ホコリなど)をできるだけ避けましょう。以下の方法が役立つ場合があります。

    • ハウスダストの対策: ベッドや布団の定期的な掃除や洗濯、カーペットの掃除、室内の通気などを行いましょう。
    • 花粉対策: 花粉の飛散が多い季節には窓を閉め、外出時にはマスクを着用しましょう。
    • ペットアレルギー: ペットのアレルゲンに反応する場合は、ペットとの接触を制限するか、特定の部屋に入れないようにしましょう。
  2. タバコの回避: 喫煙や受動喫煙は喘息の発作を引き起こすことがあります。喫煙を避け、喫煙者の周囲でも禁煙を促すようにしましょう。

  3. 汚染物質への曝露の回避: 大気汚染や化学物質(揮発性有機化合物、家庭用品の化学物質など)は喘息の発作を引き起こすことがあります。以下の点に注意しましょう。

    • 大気汚染: 外出時にはマスクを着用し、大気汚染の濃度が高い日は外出を控えるなどの対策を取りましょう。
    • 化学物質: 家庭用品や清掃剤などの使用には注意し、換気を十分に行いましょう。
  4. 湿度と温度の管理: 湿度や温度の変化も喘息の発作を引き起こす可能性があります。以下の点に留意しましょう。

    • 乾燥対策: 室内の湿度が低い場合は加湿器を使用し、適切な湿度を保ちましょう。
    • 過度の湿度: 高温多湿の環境も喘息のトリガーとなることがあります。適切な温度と湿度を保つために、エアコンや除湿器を活用しましょう。
  5. ストレス管理: ストレスは喘息の発作を悪化させることがあります。適切なストレス管理技術を学び、リラックス法やマインドフルネスなどを取り入れましょう。

以上が、喘息のトリガーの回避と環境の管理に関する基本的なポイントです。

 

喘息予防のための生活の変更

喘息の予防のためには、生活の変更が重要です。

  1. アレルゲンの管理: アレルゲンは喘息の主なトリガーです。以下の方法でアレルゲンを管理しましょう。

    • ハウスダストの管理: ベッドや布団の定期的な掃除や洗濯、カーペットの掃除、室内の通気を行いましょう。
    • 花粉対策: 花粉の飛散が多い季節には窓を閉め、外出時にはマスクを着用しましょう。
    • ペットアレルギー: ペットのアレルゲンに反応する場合は、ペットとの接触を制限するか、特定の部屋に入れないようにしましょう。
  2. 健康的な生活習慣の維持: 健康的な生活習慣は喘息の予防に役立ちます。

    • 適切な食事: バランスの取れた食事を摂り、免疫力を高めるために栄養豊富な食品を選びましょう。
    • 定期的な運動: 適度な運動を行い、呼吸機能を向上させることで喘息の予防に役立ちます。
  3. 禁煙: 喫煙や受動喫煙は喘息の発作を引き起こすことがありますので、禁煙を心がけましょう。また、喫煙者の周囲でも禁煙を促すようにしましょう。

  4. ストレス管理: ストレスは喘息の発作を悪化させることがあります。ストレスを適切に管理するために、リラクゼーション法やストレス軽減の方法を取り入れましょう。

  5. 予防接種: 喘息の発作を引き起こす感染症を予防するために、定期的な予防接種を受けましょう。例えば、インフルエンザや肺炎球菌のワクチンが推奨される場合があります。

 

喘息の持続的な治療法

持続的な喘息薬の使用

喘息の持続的な治療法は、症状の管理と発作の予防に重点を置いています。

  1. コントローラー薬の使用: コントローラー薬は喘息の日常的な管理に使用される薬です。これには吸入ステロイド薬や経口薬があります。これらの薬は炎症を抑え、喘息の症状を予防するために定期的に使用されます。必要に応じて医療機関と相談し、正しい用量と使用方法を確認しましょう。

  2. 長時間作用型β2刺激薬(LABA)の使用: LABAは喘息の症状を予防し、気道を拡張するために使用される薬です。通常は吸入薬として使用されます。LABAは単独では使用せず、吸入ステロイド薬との併用が一般的です。

  3. 抗アレルギー薬の使用: アレルギー性喘息の場合、アレルギー反応を抑えるために抗アレルギー薬が処方されることがあります。これには抗ヒスタミン薬や抗アレルギー剤が含まれます。

  4. 喘息教育と管理計画: 喘息教育と管理計画は、喘息患者が病気を理解し、適切に管理するための教育とガイドラインです。喘息の自己管理の重要性やステップアップ・ステップダウンアプローチなど、喘息の管理に関する情報や行動計画が含まれます。

  5. トリガーの回避: 喘息の持続的な治療には、喘息のトリガーを避けることも重要です。アレルゲンや刺激物(喫煙、花粉、ダストなど)の接触を制限し、健康的な環境を維持することが喘息の管理に役立ちます。

 

喘息についてよくある質問と回答

Q: 喘息とは何ですか?

A: 喘息は、気道の炎症により起こる慢性的な呼吸器疾患です。気道が収縮し、過敏に反応して喘鳴や呼吸困難を引き起こす特徴があります。

 

Q: 喘息の主な症状は何ですか?

A: 喘息の主な症状には、呼吸困難、胸の痛みや圧迫感、咳やゼーゼーという呼吸音、息切れなどがあります。これらの症状は発作的に現れることがあります。

 

Q: 喘息の治療法はありますか?

A: 喘息の治療には、救急的な発作時の症状の緩和や予防的な長期管理のための薬物療法があります。吸入薬や経口薬が使われ、炎症の抑制や気道の拡張を目指します。また、トリガーの回避や生活習慣の改善も重要です。

 

Q: 喘息は完治するのでしょうか?

A: 喘息は完全に治癒することはありませんが、適切な管理と治療により症状をコントロールし、日常生活に支障をきたさない状態にすることが可能です。

 

Q: 喘息の発作を予防する方法はありますか?

A: 喘息の発作を予防するためには、トリガー要因を避けることが重要です。アレルゲン、喫煙、寒冷空気、ストレスなどが一般的なトリガーとして知られています。また、医療機関の指導のもとで適切な薬物療法を行い、喘息のコントロールを維持することも重要です。

 

Q: 喘息とアレルギーは関係していますか?

A: 喘息とアレルギーは密接に関連しています。アレルギー性喘息は、アレルギー反応が喘息の発作を引き起こす一因となります。アレルゲンに対する過敏反応が喘息症状を悪化させることがあります。

 

いかがでしたでしょうか。

喘息は長く付き合っていく必要のあるご病気であり、不安も多いかと思います。

これらの症状にお悩みの方は、是非一度当院にてご相談ください。

このコラムの監修者
鈴木 覚すずき さとる

【経歴】
2015年 聖マリアンナ医科大学卒業
2015年 聖マリアンナ医科大学病院 臨床研修
2017年 聖マリアンナ医科大学病院
2018年 港北ニュータウン診療所
2019年 ひたちなか総合病院
2022年 川口工業総合病院
2023年 浅草橋西口クリニックMo開設

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