前立腺肥大症
前立腺肥大症とは
前立腺肥大症は40歳以上の中高年以降の男性に多くみられ、下部尿路症状(頻尿、尿の勢いの低下、残尿感、尿意切迫感など)を呈し、男性の下部尿路症状で最も多い原因疾患です。
40歳代の男性では25%、70歳代では80%と非常にありふれている疾患です。
上記のような排尿障害を呈することで著しくQOLを低下させます。
国際前立腺症状スコア(International Prostate Symptom Score:IPSS)という排尿障害の自覚症状を評価するスコアで、治療適応や治療効果を判断します(下図参照)。
どのくらいの割合で次のような症状がありましたか? |
全くない | 5回に1回の割合より少ない | 2回に1回の割合より少ない | 2回に1回の割合くらい | 2回に1回の割合より多い | ほとんどいつも |
この1か月の間に、尿をした後にまだ尿が残っている感じがありましたか? | 0点 | 1点 | 2点 | 3点 | 4点 | 5点 |
この1か月の間に、尿をしてから2時間以内にもう一度しなくてはならないことがありましたか? | 0点 | 1点 | 2点 | 3点 | 4点 | 5点 |
この1か月の間に、尿をしている間に尿が何度も途切れることがありましたか? | 0点 | 1点 | 2点 | 3点 | 4点 | 5点 |
この1か月の間に、尿を我慢するのが難しいことがありましたか? | 0点 | 1点 | 2点 | 3点 | 4点 | 5点 |
この1か月の間に、尿の勢いが弱いことがありましたか? | 0点 | 1点 | 2点 | 3点 | 4点 | 5点 |
この1か月の間に、尿をし始めるためにお腹に力を入れることがありましたか? | 0点 | 1点 | 2点 | 3点 | 4点 | 5点 |
7項目を頻度に応じて0-5点で評価し、その合計で判断します。
0-7点を軽度、8-19点を中等度、20-35点を重度とし、8点以上の中等度以上で治療介入を検討します。
治療
治療は主に薬物治療と手術になります。
前立腺肥大症と診断し、上記のIPSSなどで薬物治療が必要と判断した際には、α1遮断薬やPDE5阻害薬、5α還元酵素阻害薬、抗コリン薬、β3受容体作動薬などを使用し治療していきます。
薬物療法の効果が不十分、尿閉・尿路感染症・血尿・膀胱結石などの合併症がある場合に、手術が考慮されます。
上記に思い当たるような症状がある方は是非一度IPSSをご参考に、当院にてご相談ください。
【経歴】
2015年 聖マリアンナ医科大学卒業
2015年 聖マリアンナ医科大学病院 臨床研修
2017年 聖マリアンナ医科大学病院
2018年 港北ニュータウン診療所
2019年 ひたちなか総合病院
2022年 川口工業総合病院
2023年 浅草橋西口クリニックMo開設