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尿道炎

尿道炎とは

尿道炎は、尿道(尿を体外に排出する管)が炎症を起こす状態を指します。尿道炎は男性と女性の両方に発生する可能性があります。尿道炎は感染や刺激によって引き起こされることが多く、細菌やウイルス、真菌などの病原体による感染が最も一般的な原因です。性的に感染する性感染症(クラミジア淋病)が尿道炎の主な原因の1つですが、細菌の感染や外傷、アレルギー反応、排尿の異常なども尿道炎を引き起こす可能性があります。

 

尿道炎の主な原因

性感染症による尿道炎の主な原因

性感染症による尿道炎の主な原因としては、以下のような病原体が関与しています。

  1. クラミジア感染症: クラミジアはクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)という細菌によって引き起こされます。性的接触によって感染が広がり、尿道炎や尿路感染症を引き起こすことがあります。

  2. 淋菌感染症(淋病): 淋菌(Neisseria gonorrhoeae)という細菌によって引き起こされる感染症です。性的接触によって感染が広がり、尿道炎や尿路感染症を引き起こすことがあります。

  3. マイコプラズマ尿道炎:マイコプラズマ・ジェニタリウム(Mycoplasma genitalium)という微生物によって引き起こされる性感染症です。マイコプラズマは細菌ではなく、細菌とウイルスの中間に位置する微小生物であり、細胞壁を持たない特徴があります。マイコプラズマ尿道炎は、性的接触によって感染が広がります。感染したパートナーとの性的接触や複数の性的パートナーを持つことがリスク要因とされています。また、不適切な衛生状態や免疫機能の低下も感染リスクを高める要因となります。

これらの性感染症は、感染したパートナーとの性的接触によって広がります。感染が疑われる場合は、早めに当院泌尿器科にご相談ください。

 

尿道炎の主な症状

性感染症による尿道炎の主な症状

 

淋菌

クラミジア

潜伏期間

2~7日

1~3週

発症様式

急激

緩やか

排尿時痛

強い

弱い

分泌物の性状

どろっとしている

さらっとしている

分泌物の量

中等量~多量

少量~中等量

両者の違いをまとめると上記の表のように、潜伏期間や発症様式、症状の程度の違いがあります。
また、尿道炎は通常、発熱や倦怠感などは認めません。

 

尿道炎の診断と検査方法

  1. 尿検査:尿道炎の診断には、尿検査が行われます。尿中の細菌や炎症マーカーの存在を確認します。尿中の細菌の数や種類、白血球の数などが評価されます。

  2. 尿培養:尿中の細菌の種類や感受性を特定するために、尿培養が行われることもあります。これにより、正確な病原体の同定と適切な抗生物質の選択が可能となります。

  3. 尿道塗抹検査:性感染症の病原体を確認するために、尿道からの塗抹検査が行われることもあります。この検査では、尿道から採取した細胞や分泌物を顕微鏡で観察し、病原体の存在や炎症反応を確認します。

  4. 血液検査:一部の性感染症では、血液検査が行われることもあります。血液中の特定の抗体や抗原の存在を調べることで、感染症の診断や感染の程度を評価することができます。

尿道炎の診断には、症状や体格、性行動の詳細なども考慮されます。

 

尿道炎の治療方法と予防策

性感染症による尿道炎の治療方法

性感染症による尿道炎の治療方法は、感染の原因となる病原体によって異なります。一般的な性感染症による尿道炎の治療方法については以下の通りです。

  1. 抗生物質の使用:

    • 細菌性尿道炎の場合、感染の原因となる細菌に対して適切な抗生物質を処方します。
  2. 抗ウイルス薬の使用:

    • ウイルス性尿道炎の場合、感染の原因となるウイルスに対して適切な抗ウイルス薬が処方される場合があります。ただし、一部のウイルス性尿道炎には特定の抗ウイルス薬が存在しない場合もあります。
  3. 対症療法:

    • 炎症や痛みを緩和するために、炎症を抑える薬や痛み止めが処方されることがあります。これにより、症状の軽減や快適な排尿が促されます。
  4. パートナーへの治療:

    • 性感染症による尿道炎の場合、パートナーも感染している可能性が高いため、パートナーも同時に治療する必要があります。性的接触を通じて再感染することを防ぐために、パートナーの治療も重要です。

治療方法は個人の状態によって異なる場合があります。また、感染の再発を防ぐために、治療完了後も定期的なフォローアップや予防策の実施が重要です。

 

性感染症による尿道炎の予防策と日常のケア方法

  1. 安全なセックスの実践:

    • コンドームを正しく使用することで、性感染症のリスクを減らすことができます。正しい使用方法を学び、セックスのたびにコンドームを使用しましょう。
  2. パートナーのスクリーニング:

    • 新しいパートナーとの性的な関係を始める前に、お互いに性感染症のスクリーニングを受けることをおすすめします。感染の早期発見と治療は重要です。
  3. 定期的な検査:

    • 性感染症に感染しているかどうかを定期的に検査することは重要です。特に性的に活発な人やリスクの高い行動を行っている人は、定期的な検査を受けることをおすすめします。
  4. 個人衛生の維持:

    • 適切な個人衛生を保つことも予防に役立ちます。定期的なシャワーを浴び、陰部を清潔に保つことが重要です。ただし、過度な洗浄や香料入りの製品の使用はかえって刺激を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
  5. 水分摂取:

    • 十分な水分摂取を心がけましょう。水分不足は尿道の粘膜を乾燥させ、感染のリスクを高める可能性があります。日常的に適切な水分を摂取することで、尿道の保護機能を強化することができます。
  6. 健康的なライフスタイルの維持:

    • 免疫機能を強化するために、バランスの取れた食事を摂取し、十分な睡眠をとり、適度な運動を行いましょう。健康的なライフスタイルは免疫システムをサポートし、感染症から身を守る役割を果たします。

これらの予防策と日常のケア方法は、尿道炎を予防するために役立ちます。ただし、性感染症のリスクを完全に排除することはできません。症状がある場合や心配がある場合は、当院泌尿器科にご相談ください。

 

尿道炎の合併症と放置の危険性

性感染症による尿道炎の放置が引き起こす合併症

性感染症による放置された尿道炎は、以下のような合併症を引き起こす可能性があります。

  1. 尿路感染症:尿道炎が進行すると、細菌やウイルスが尿道から膀胱や腎臓に侵入するリスクが高まります。これにより、膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染症が発生する可能性があります。

  2. 性器感染症の拡散:放置された尿道炎は、性器内の他の部位への感染拡大を引き起こす可能性があります。これにより、陰部や膣、子宮頸部などで感染症が発生する可能性があります。

  3. 精巣や前立腺の感染:性感染症が進行すると、精巣や前立腺に感染が広がることがあります。これにより、精巣炎や前立腺炎が発生する可能性があります。

  4. 睾丸の炎症や腫れ:放置された尿道炎が進行すると、睾丸(精巣)が炎症を起こすことがあります。これにより、睾丸炎や精巣上体炎などの症状が現れる可能性があります。

  5. 不妊症:性感染症による放置された尿道炎は、男性および女性の生殖器に悪影響を及ぼす可能性があります。不適切な治療や長期間の感染が続くと、不妊症のリスクが高まる場合があります。

これらの合併症は、性感染症による尿道炎が放置された場合に発生する可能性があります。早期の診断と治療が重要です。症状や心配がある場合は、早めに当院泌尿器科にご相談ください。

 

性感染症による尿道炎を放置するリスクと注意点

性感染症による尿道炎を放置することはいくつかのリスクを伴います。以下に、それらのリスクと注意点をいくつか説明します。

  1. 合併症のリスク: 放置された尿道炎は、尿路感染症や性器内の他の部位への感染拡大を引き起こす可能性があります。これにより、腎臓、膀胱、精巣、前立腺などの感染症が発生するリスクが高まります。

  2. 慢性化のリスク: 放置された尿道炎は、症状が慢性化し、長期間にわたって症状が持続する可能性があります。これにより、慢性尿道炎や再発性尿道炎といった状態が生じる可能性があります。

  3. 他の人への感染リスク: 放置された尿道炎を持つ人は、性行為を通じて他の人に感染を広げるリスクがあります。性感染症は性パートナー間で感染を拡大させることがあるため、自己および他者への感染を防ぐために早期の治療が重要です。

以下は、注意点です。

  • 症状の変化に敏感になる:尿道炎に関連する症状がある場合、早期に医療機関に相談することが重要です。かゆみ、痛み、腫れ、排尿困難、異常な分泌物などが見られる場合は、早期の診断と治療が必要です。

  • 定期的な検査を受ける:性感染症による尿道炎のリスクがある場合は、定期的な性感染症検査を受けることが推奨されます。これにより、早期の感染の発見と適切な処置が可能となります。

  • 安全なセックスを実践する:感染リスクを軽減するためには、安全なセックスの実践が重要です。これには、適切なコンドームの使用、パートナーの健康状態の確認、性感染症の予防についての情報の共有が含まれます。

  • パートナーへの通知と検査の奨励:性感染症に感染している可能性がある場合、性パートナーに対しても感染の可能性を伝え、検査や治療の受診を奨励することが重要です。

性感染症による尿道炎を放置することは、合併症のリスクを高めるだけでなく、他の人への感染リスクも増加させます。早期の診断と治療、安全なセックスの実践、パートナーとのコミュニケーションは、リスクを軽減し、予防に役立ちます。

 

尿道炎に関するよくある質問と回答

Q: 性行為をしていないのに尿道炎になる可能性はありますか?

A: 性行為以外の要因でも尿道炎になる可能性はあります。例えば、細菌感染やアレルギー反応による尿道炎もあります。尿道炎の症状がある場合は、早めに当院泌尿器科にご相談ください。

 

Q: 尿道炎の自己診断は可能ですか?

A: 尿道炎の症状は他の疾患と類似していることがあり、自己診断は難しい場合があります。正確な診断のためには診察と適切な検査が必要です。

 

Q: 性行為後に尿道炎の症状が出た場合、すぐに医療機関に受診すべきですか?

A: 性行為後に尿道炎の症状が出た場合、早めに医療機関を受診することが重要です。早期の診断と治療は合併症のリスクを軽減するために重要です。

 

Q: 尿道炎は自然に治ることはありますか?

A: 尿道炎は一部の場合には自然に治ることもありますが、それぞれの原因や症状によって異なります。医療機関の指示に従い、適切な治療を受けることが大切です。

 

Q: 尿道炎は再発することはありますか?

A: 一部の場合には尿道炎が再発することがあります。再発を防ぐためには、適切な治療を行った後、予防策を遵守することが重要です。

 

いかがでしたでしょうか。

尿道炎が疑われる場合や心配な時などは、当院泌尿器科にご相談ください。

このコラムの監修者

頴川博芸 エガワ ヒロキ

浅草橋西口クリニックMo

【経歴】
2016年 東海大学医学部医学科 卒業
2016年 順天堂大学医学部附属静岡病院 臨床研修医室
2017年 順天堂大学大学院医学研究科医学専攻(博士課程) 入学
2018年 順天堂大学医学部附属順天堂医院 消化器・低侵襲外科
2021年 順天堂大学大学院医学研究科医学専攻(博士課程) 修了
2021年 越谷市立病院 外科
2022年 順天堂大学医学部附属練馬病院 総合外科・消化器外科
2023年 順天堂大学医学部附属順天堂医院 食道・胃外科
2024年 浅草橋西口クリニックMo院長就任

【資格】
日本専門医機構認定 外科専門医
日本医師会認定産業医
日本医師会認定健康スポーツ医
日本旅行医学会 認定医
東京都難病指定医
東京都認知症サポート医
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会
日本温泉気候物理医学会
日本腹部救急医学会
日本大腸肛門病学会
順天堂大学医学部附属順天堂医院 食道・胃外科 非常勤医師

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