心配いらない血尿かどうか【浅草橋西口クリニックMo 泌尿器科】
心配いらない血尿かどうか知りたいと悩んでいませんか?
この記事を見てくださっている方々は、血尿がでて、その原因がなんなのか、心配いらいないものなのかどうか、悩んでいるものと思います。
本記事では、その血尿が心配いらない血尿かどうかと併せて、血尿の原因などについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
なお、当院(浅草橋西口クリニックMo 内科・泌尿器科・皮膚科)では数多くの血尿の患者様が受診され、診療、原因の診断・治療、予防・療養上のアドバイスを行っております。それらの知見も含めてご説明します。
【血尿とは】
血尿は、尿に血液が混じっている状態を指します。
通常、健康な人の尿は赤やピンク色ではなく、黄色く澄んでいますが、血尿の場合は尿が赤、ピンク、茶色に見えることがあります。
血尿は2つの主な形態に分類されます。
肉眼的血尿(明らかな血尿)
尿が肉眼的に赤や茶色に変色している状態で、明確に血液が見えることを指します。
顕微鏡的血尿(微細な血尿)
肉眼では見えない程度の微量の血液が尿中に含まれている状態です。
尿検査を行うことで発見される場合があります。
健康診断で指摘されることが多いです。
血尿の【主な7つの原因】
血尿の原因は多岐にわたりますが、一般的なものとして以下のようなものが挙げられます。
① 尿路感染症
尿路感染症は、膀胱、尿管、腎臓などの尿路に細菌感染が起こる状態を指します。
尿路感染症による血尿は一般的な症状の1つであり、以下のようなメカニズムによって生じることがあります。
1. 尿道炎
尿道(尿を膀胱から体外に運ぶ管)の炎症が起こることで、尿道の粘膜が傷つきます。
これにより、尿中に血液が混じることがあります。
男性に多く見られる病気です。
2. 膀胱炎
膀胱の内壁が感染によって炎症を起こすと、尿が膀胱内で血道を通り過ぎる際に血液が混ざります。
女性に非常に多く見られる病気です。
3. 尿管炎
尿管は膀胱から腎臓に向かう管で、感染によって炎症が起こると、尿が腎臓から膀胱に向かう途中で血液を含むことがあります。
4. 腎盂腎炎
腎盂(腎臓内の尿を収集する領域)が感染によって炎症を起こすと、腎臓が血液を含む尿を生成し、それが尿中に現れることがあります。
また、以下のような他の症状もしばしば伴います。
- 頻尿や尿意切迫感
- 排尿時の痛みや灼熱感
- 下腹部の不快感や痛み
- においの強い尿
- 発熱
尿路感染症は、細菌が尿路に侵入して増殖することで引き起こされます。
主な原因としては、大腸菌が尿道に入り込むことが挙げられます。
女性は男性に比べて尿道が短いため、感染が尿道に到達しやすく、尿路感染症になりやすい傾向があります。
尿路感染症による血尿を経験した場合、早めに医師の診察を受けることが重要です。
適切な抗生物質を処方されることで感染を治療し、症状を改善することができます。
放置すると感染が進行し、重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、自己判断せずに病院・医療機関を受診するようにしてください。
② 尿路結石
尿路結石は、腎臓、尿管、膀胱、または尿道にできる固形の結晶の集まりです。
これらの結石が尿路内を通過する際に、尿路の壁を傷つけることがあり、それによって血尿が生じることがあります。
以下に、尿路結石による血尿に関する詳細を説明します。
1. 結石の形成
尿中の特定の物質が濃縮されることで、結晶が形成され、これが結石となります。
尿路結石は、カルシウム、尿酸、ストルバイト(マグネシウム、アンモニウム、リン酸塩)、システインなどの異なる成分で構成されることがあります。
2. 結石の通過
結石が尿路内を移動する過程で、尿路の壁に当たることがあります。
これにより、血管や組織が傷つけられ、血液が尿中に混じることがあります。
結石のサイズや位置によって、血尿の程度や症状の重さが異なる場合があります。
3. 他の症状
尿路結石は血尿だけでなく、激しい腹痛(尿管結石の場合)、頻尿、尿が滞留する感覚、下腹部の不快感などの症状を引き起こすことがあります。
尿路結石は、特に腎臓や尿管で引き起こされる血尿が顕著です。
大きな結石や複数の結石が同時に存在する場合、尿路の通過が難しく、症状がより顕著に現れることがあります。
血尿を伴う場合は、結石が原因である可能性があるため、医師の診察を受けることが重要です。
医師は画像検査(超音波、X線、CT)を行い、結石の位置や大きさを観察・確認します。
治療法は結石の大きさや位置、患者様の症状によって異なりますが、水分摂取の増加、痛みのコントロール、尿路結石の破砕または摘出などが行われることがあります。
③ 膀胱の異常
膀胱の異常による血尿は、膀胱内に存在する問題や疾患によって尿中に血液が混じる状態を指します。
膀胱は尿を貯蔵する器官であり、以下のような異常が血尿を引き起こす可能性があります。
1. 膀胱炎
膀胱炎は膀胱の炎症で、通常は細菌感染によって引き起こされます。膀胱内の粘膜が炎症を起こすと、尿が膀胱内で血液を含むことがあります。
2. 膀胱結石
膀胱内に結石(膀胱結石)が形成されると、それが膀胱の壁に当たって血尿を引き起こすことがあります。
3. 膀胱ポリープや腫瘍
膀胱内にポリープ(粘膜の小さな腫瘤)や腫瘍、膀胱がんが存在する場合、これらが破れると血尿が生じることがあります。
4. 膀胱憩室
膀胱壁の一部が突出して袋状になる膀胱憩室がある場合、そこに血液がたまることで血尿を引き起こすことがあります。
5. 慢性膀胱炎
長期間にわたって慢性的な膀胱の炎症が続くと、血管が痛んで血尿を引き起こすことがあります。
他の症状としては、頻尿、尿意切迫感、排尿時の痛みや灼熱感、下腹部の不快感などが挙げられることがあります。
血尿を伴う場合は、膀胱に何らかの異常がある可能性があるため、早めに医師の診察を受けることが重要です。
医師は尿検査、尿細胞診、画像検査(超音波、CT)を行い、膀胱の状態を確認します。
原因に応じて適切な治療が行われることで、血尿や他の症状の改善が期待されます。
④ 腎臓疾患
腎臓疾患による血尿は、腎臓に問題や障害があることで、尿中に血液が混じる状態を指します。
腎臓は体内で尿を生成し、不要な物質を体外に排泄する役割を果たしています。
以下は、腎臓疾患による血尿の一般的な原因といくつかの例を挙げます。
1. 腎炎
腎炎は、腎臓の組織に炎症が生じる疾患で、免疫系の異常や感染によって引き起こされることがあります。
腎臓の組織が傷つくと、血液を含む尿が生成されることがあります。
2. 腎結石
腎臓に結石(腎結石)が存在する場合、それが腎臓の組織を傷つけることで血尿が生じることがあります。
3. 腎臓のポリープや腫瘍
腎臓内にポリープ(粘膜の小さな腫瘤)や腫瘍(良性・悪性腫瘍)がある場合、これらが破れると血尿が発生することがあります。
4. 腎盂腎炎
腎盂(腎臓内の尿を収集する領域)が感染によって炎症を起こすと、腎臓が血液を含む尿を生成し、それが血尿につながることがあります。
5. 腎臓の先天的な異常
腎臓の形態や機能に先天的な問題がある場合、血尿を伴うことがあります。
他の症状としては、腰や背中の痛み、浮腫(むくみ)、高血圧などが挙げられることもあります。
ただし、腎臓疾患による血尿は時折無症状の場合もあるため、注意が必要です。
血尿を伴う場合は、腎臓に何らかの問題がある可能性があるため、早めに医師の診察を受けることが重要です。
医師は尿検査、画像検査(超音波、CT)、血液検査を行い、腎臓の状態を評価します。
原因に応じて適切な治療が行われることで、血尿や他の腎臓疾患の症状の改善が期待されます。
⑤ 薬や食品
薬や食品による血尿は、特定の薬品の摂取や食品の摂取によって尿中に血液が混じる状態を指します。
これは一時的な現象であり、通常は無害なものですが、場合によっては健康上の問題を示すこともあります。
以下にいくつかの例を挙げます。
1. ビーツ
ビーツは健康的で栄養価の高い食品ですが、ビーツ中のビタミンCなどの成分により尿が赤くなることがあります。
これは食べた後に一時的な血尿のように見えることがありますが、実際には血液ではありません。
2. ベリー類
ブラックベリーやブルーベリーなどのベリー類にも、尿の色を変える成分が含まれています。
これも一時的な血尿のように見えることがありますが、実際には血液ではありません。
3. ラクトフラビン(ビタミンB2)
ビタミンB2を含むサプリメントや栄養補助食品を摂取した場合、尿が蛍光色になることがあります。
これも一時的な血尿のように見えることがありますが、実際には血液ではありません。
4. 抗凝固剤(血液をサラサラにする薬)
ワルファリンやエドキサバンなどの抗凝固剤を服用している場合、尿中に血液が見られることがあります。
これは薬の副作用であり、適切に処方されている場合は安全ですが、異常な出血が見られる場合は医師に報告する必要があります。
これらの一時的な血尿は一般的に無害ですが、持続的な血尿や他の症状と併せて現れる場合は、より深刻な疾患の可能性を考慮して医師の診察を受けることが重要です。
特に持続的な血尿がある場合は、原因を特定するために医師に相談することが大切です。
⑥ 前立腺疾患
男性の場合、前立腺疾患が血尿を引き起こすことがあります。
前立腺疾患による血尿は、前立腺(男性の生殖器系にある臓器)に問題や疾患があることで、尿中に血液が混じる状態を指します。
前立腺は尿道の周りに位置しており、尿道の一部を構成しています。
前立腺に異常が生じると、尿道や尿路に影響を及ぼすことがあり、それが血尿を引き起こす原因となります。
以下に、前立腺疾患による血尿の一般的な原因といくつかの例を挙げます。
1. 前立腺炎
前立腺の炎症は、細菌感染や非細菌性の要因によって引き起こされます。
前立腺の炎症が尿道を刺激することで、血尿が生じることがあります。
2. 前立腺肥大症
中高年の男性によく見られる状態で、前立腺が増大することで尿道を圧迫し、尿の通り道が狭くなります。
これにより、血液が尿中に混じることがあります。
3. 前立腺がん
前立腺がんは前立腺にできる腫瘍です。
がんが前立腺の組織を侵すと、尿道にも影響を及ぼし、血尿が生じることがあります。
他の症状としては、頻尿、尿意切迫感、排尿時の痛み、尿の流れの弱さなどが挙げられることもあります。
血尿を伴う場合は、前立腺に何らかの問題がある可能性があるため、早めに医師の診察を受けることが重要です。
医師は尿検査、画像検査(超音波、MRI、CT)を行い、前立腺の状態を評価します。
原因に応じて適切な治療が行われることで、血尿や他の前立腺疾患の症状の改善が期待されます。
⑦ けがや外傷、運動による衝撃
けがや外傷、運動による衝撃による血尿は、身体への外部的な影響によって尿路が傷つくことで、尿中に血液が混じる状態を指します。
これらの原因による血尿は一時的で軽度な場合が多く、一般的には自然に改善します。
以下に詳細を説明します。
1. けがや外傷
腎臓、尿管、膀胱、または尿道などの尿路にけがや外傷が生じると、血管や組織が損傷されることがあります。
この損傷によって、尿中に血液が混じることがあります。
例えば、交通事故やスポーツでの怪我、転倒などが原因となることがあります。
2. 運動による衝撃
激しい運動やランニング、ジャンプなど、体に負荷をかけるような運動によっても尿路に衝撃が与えられ、一時的な血尿が見られることがあります。
特に長距離ランニングなど、長時間にわたって負担がかかる運動では血尿が起こる可能性が高まります。
これらの状況では、血尿が一時的で軽度な場合が多く、しばしば自然に改善します。
ただし、以下のような場合には医師の診察を受けることが重要です。
- 血尿が持続する場合
- 血尿が濃い赤色であり、量が多い場合
- 他の症状が伴う場合(腰の痛み、発熱など)
- 過去に尿路に関する問題がある場合
医師は適切な検査(尿検査、超音波、CTなど)を行い、血尿の原因を特定します。
心配いらない血尿【4つの原因】
心配いらない血尿は、身体に重大な疾患がない場合に見られる、一時的で軽度な血尿のことを指します。
無害な血尿は一般的に自然に改善し、重篤な健康上の問題を引き起こすことはありません。
以下に、一般的な無害な血尿のいくつかの原因を挙げます。
① 軽度の尿路感染症
尿路感染症が軽度で、尿中にわずかな血液が混じることがあります。
尿路感染症は一般的に抗生物質の治療で改善することが多いです。
② 軽度の尿路結石
小さな尿路結石が尿道を通過する際に、尿中にわずかな血液が混じることがあります。
一般的にこれらの小さな結石は自然に排出されることがあります。
③ 薬や食品の摂取
特定の薬物や食品を摂取することで、一時的に尿が赤く変色して見えることがありますが、これは実際には血液ではなく、無害なものです。
④ 運動による衝撃
激しい運動やランニングなどによって、尿路の組織が一時的に傷ついて血尿が生じることがあります。
これらの無害な血尿は、通常は自然に改善するか、特定のトリガー(薬や食品の摂取など)が原因であるため、心配する必要はありません。
ただし、血尿が持続する、他の症状が伴う、または以前に健康上の問題があった場合は、医師の診察を受けることが重要です。
【まとめ】
いかがでしたでしょうか。
本記事では、その血尿が心配いらない血尿かどうかと併せて、血尿の原因などについても記述させていただきました。
血尿は突然出現することが多く、ほとんどの方が驚いて、心配になると思います。
血尿でお困りの際は、是非当院(浅草橋西口クリニックMo 内科・泌尿器科・皮膚科)にご相談ください。
頴川博芸 エガワ ヒロキ
浅草橋西口クリニックMo
【経歴】
2016年 東海大学医学部医学科 卒業
2016年 順天堂大学医学部附属静岡病院 臨床研修医室
2017年 順天堂大学大学院医学研究科医学専攻(博士課程) 入学
2018年 順天堂大学医学部附属順天堂医院 消化器・低侵襲外科
2021年 順天堂大学大学院医学研究科医学専攻(博士課程) 修了
2021年 越谷市立病院 外科
2022年 順天堂大学医学部附属練馬病院 総合外科・消化器外科
2023年 順天堂大学医学部附属順天堂医院 食道・胃外科
2024年 浅草橋西口クリニックMo院長就任
【資格・所属学会】
日本専門医機構認定 外科専門医
日本医師会認定産業医
日本医師会認定健康スポーツ医
日本旅行医学会 認定医
東京都認知症サポート医
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会
日本温泉気候物理医学会
日本腹部救急医学会
日本大腸肛門病学会
順天堂大学医学部附属順天堂医院 食道・胃外科 非常勤医師
難病指定医
小児慢性特定疾病指定医