背中に粉瘤ができたときの治療法や費用の目安・治療後の注意点など解説
「背中にできた粉瘤の治療法が知りたい」「背中に粉瘤ができたときの対処法を知りたい」など、背中にできた粉瘤でお悩みではありませんか?
粉瘤は皮膚の下にできる良性の腫瘍で、皮膚のどこにでもできる疾患です。そのため背中にできることも珍しいことではありません。
この記事では、以下の内容について解説していきます。
- 粉瘤の概要
- 背中に粉瘤ができたときの治療法
- 治療法の選び方
- 背中の粉瘤治療にかかる費用相場や治療時間の目安
- 背中の粉瘤治療後の注意点
この記事を読むことで、背中に粉瘤ができたときの対処法を正しく知り、どのように治療を進めるべきかがわかります。背中の粉瘤でお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
1.そもそも粉瘤とは?
粉瘤(ふんりゅう)とは、皮膚の下にできる良性の腫瘍で、表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)とも呼ばれます。皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に皮脂や角質などの老廃物が溜まることで発生します。
初期段階では痛みがないことが多いですが、放置すると大きくなったり、感染して炎症を起こすことがあるのが特徴です。
特に背中は自身の目視では確認しづらいため、気づいたときには大きくなっていることも少なくありません。
なお、背中のできものが粉瘤ではない場合もあります。粉瘤とその他の皮膚疾患との見分け方は以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
関連記事:粉瘤の見分け方とは?粉瘤とニキビ・イボ・せつ・脂肪腫・痔ろうの違い
1-1.背中にできた粉瘤は放置しない
背中にできた粉瘤は、放置せずに早めの治療が重要です。放置すると、粉瘤が大きくなるだけでなく、炎症や感染を引き起こすリスクが高まります。
炎症が進行すると、痛みや発熱を伴うこともあり、治療が複雑になる可能性があります。そのため、背中にしこりや腫れを感じた場合は、なるべく早めに医療機関を受診してください。
関連記事:赤い粉瘤は炎症性粉瘤かも!炎症性粉瘤の症状や原因・放置するリスクとは?
2.背中に粉瘤ができたときの治療法
背中に粉瘤ができたときに用いられる治療法は、主に以下の2つです。
- くりぬき法
- 切開法
それぞれの治療がどのような治療法でどのような特徴があるのか、詳しく見ていきましょう。
2-1.治療法①くりぬき法
くりぬき法は、粉瘤の中心部に小さな穴を開け、そこから内容物と袋を取り出す方法です。この方法のメリットは、傷跡が小さく目立ちにくい点です。手術時間も短く、術後の回復も比較的早いとされています。ただし、粉瘤が大きい場合や、袋が完全に取り除けない場合は、再発のリスクがあるため注意が必要です。
2-2.治療法②切開法
切開法は、粉瘤の大きさに合わせて皮膚を切開し、粉瘤を袋ごと取り除く方法です。この方法のメリットは、粉瘤を確実に除去でき、再発のリスクが低い点です。特に大きな粉瘤や、炎症を繰り返している場合に適しています。デメリットとしては、傷跡が大きくなる可能性があり、術後のケアや抜糸が必要となることがあります。
3.背中の粉瘤治療でくりぬき法と切開法のどちらを選ぶべきか
背中の粉瘤治療には2つの種類があることを解説しましたが、治療に対する考え方によって、どちらの方法を選ぶべきか変わります。
2つの考え方をもとに、最適な治療法について解説していきます。
3-1.治療後の見た目を重視するならくりぬき法
治療後の見た目を重視する場合、くりぬき法がおすすめです。前述したように、くりぬき法は傷口が小さく、術後の傷跡が目立ちにくいのが特徴です。
そのため術後の見た目が気になるという方は、くりぬき法を選択すべきといえます。ただし、粉瘤が大きい場合や皮膚との癒着が強い場合には適用が難しいことがあるため、まずは診断を受けて医師に判断を仰いでください。
3-2.治療後の再発防止を重視するなら切開法
粉瘤の再発防止を優先するなら、切開法が適しています。切開法は、粉瘤の大きさに合わせて皮膚を切開し、粉瘤を袋ごと完全に摘出するため、くりぬき法と比較して再発のリスクが低いのがメリットです。
一方で、傷跡が大きくなるというデメリットもあります。背中は比較的目立ちにくい部位ではありますが、治療後の見た目を気にする方には向いてないといえます。
4.背中の粉瘤治療にかかる費用相場
粉瘤の治療費は、部位や大きさ、保険負担割合によって異なります。以下に、一般的な費用の目安を一覧表にまとめました。
粉瘤の大きさ |
3割負担 |
1割負担 |
3cm未満 |
約4,000~5,000円 |
約1,500円 |
3cm~6cm未満 |
約10,000~12,000円 |
約3,500円 |
6cm〜12cm |
約12,000~14,000円 |
約4,500円 |
12cm以上 |
約25,000円 |
約8,000円 |
上記はあくまで目安となり、治療を受ける医院によって料金制度や初診料・再診料などの費用が異なります。費用について詳しく知りたい方は、かかりつけや近所の皮膚科に問い合わせてみてください。
5.背中の粉瘤治療にかかる時間の目安
粉瘤の手術時間は、大きさや状態によりますが、一般的に10分から30分程度とされています。多くの場合日帰り手術が可能で、入院の必要はありません。
術後の経過観察や通院回数は、手術方法や個人差によりますので、担当医と相談してください。
6.背中の粉瘤治療後の注意点
背中の粉瘤治療をしたあとは、以下の4点に注意してください。
- 抜糸まで湯船に浸かるのは避ける
- 抜糸まで無理な運動は控える
- 飲酒は手術の2日後からにする
- 合併症のリスクもある
それぞれ解説します。
6-1.抜糸まで湯船に浸かるのは避ける
手術後、抜糸までの約1週間は、湯船に浸かるのは避けてください。入浴による血行促進が出血や感染のリスクを高める可能性があります。
シャワーは手術翌日から可能ですが、患部を清潔に保つよう心掛けてください。
6-2.抜糸まで無理な運動は控える
術後の無理な運動は、傷口の開きや出血を引き起こす恐れがあります。
特に手術後1週間は、激しい運動や重い物を持つことは控え、安静を保つようにしましょう。
6-3.飲酒は手術の2日後からにする
飲酒は血行を促進し、出血や腫れを引き起こす可能性があります。
少なくとも手術翌日までの2日間は飲酒を控えるようにしましょう。
6-4.合併症のリスクもある
粉瘤の治療後は、合併症のリスクも潜んでいます
6-4-1.合併症①血腫
術後、傷口に血液が溜まり、腫れや痛みを感じることがあります。軽度の場合は自然に吸収されますが、症状が強い場合は医師に相談してください。
6-4-2.合併症②化膿
傷口が赤く腫れ、熱感や膿が出る場合は、感染の可能性があります。
このような症状が現れたら、速やかに医療機関を受診してください。
7.まとめ
粉瘤とは良性の腫瘍で、背中にもできやすい皮膚疾患の一つです。背中に粉瘤ができた際の治療法には、くりぬき法か切開法のどちらかが選択されます。
治療後の見た目を重視するのか再発防止を重視するのかによって最適な治療法が変わってきますので、この記事で解説した内容を参考に、最適な治療法を選択してください。
また粉瘤を放置することで症状がさらに悪化するリスクがあるため、背中に粉瘤を発見したら、なるべく早く医療機関を受診するようにしましょう。
浅草橋西口クリニックMoでは、粉瘤をはじめとしたさまざまな皮膚疾患に対しての診療をおこなっています。「皮膚にできものができた」「炎症が起きて痛い」などのお悩みがある方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
頴川博芸 エガワ ヒロキ 浅草橋西口クリニックMo 【経歴】 【資格・所属学会】
2016年 東海大学医学部医学科 卒業
2016年 順天堂大学医学部附属静岡病院 臨床研修医室
2017年 順天堂大学大学院医学研究科医学専攻(博士課程) 入学
2018年 順天堂大学医学部附属順天堂医院 消化器・低侵襲外科
2021年 順天堂大学大学院医学研究科医学専攻(博士課程) 修了
2021年 越谷市立病院 外科
2022年 順天堂大学医学部附属練馬病院 総合外科・消化器外科
2023年 順天堂大学医学部附属順天堂医院 食道・胃外科
2024年 浅草橋西口クリニックMo院長就任
日本専門医機構認定 外科専門医
日本医師会認定産業医
日本医師会認定健康スポーツ医
日本旅行医学会 認定医
東京都認知症サポート医
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会
日本温泉気候物理医学会
日本腹部救急医学会
日本大腸肛門病学会
順天堂大学医学部附属順天堂医院 食道・胃外科 非常勤医師
難病指定医
小児慢性特定疾病指定医