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なぜ糖尿病で頻尿になる?原因とトイレが近くなるその他の要因も解説

[2023.10.27]

「糖尿病で頻尿になることってある?」と疑問に思ったことはありませんか?実際に糖尿病患者の中には、頻繁にトイレへの足が増えると感じる方も少なくありません。ただ、頻尿の原因は糖尿病以外にも多く存在します。

そこでこの記事では、「糖尿病の方がなぜ頻尿になるのか」や「糖尿病以外で頻尿になる要因」について詳しく解説していきます。

頻尿でお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

1.そもそも「頻尿」の基準とは?

「頻尿」とは、1日に排尿する回数が増加してしまう症状を指します。具体的には、1日の排尿回数が「8回」を超えると頻尿と考えてください。

通常、人間の体は一日に5〜7回の排尿をおこないます。しかし、この回数が増加することで生活に支障をきたす場合、それを「頻尿」と呼びます。特に、夜間に排尿のために目が覚めることが多い場合は、「夜間頻尿」とも呼ばれ注意が必要です。

2.糖尿病で頻尿になる2つの原因

頻尿は、糖尿病によって引き起こされることがあります。糖尿病によって頻尿になる原因は、主に以下の2つです。

  • 高血糖の影響
  • 排尿を操作する末梢神経の障害

2-1.高血糖の影響

糖尿病で高血糖となると、無意識のうちに水を多く飲むようになり、結果としてトイレの回数が増えます。

糖尿病は血液中のブドウ糖が増加しているため、血液がドロドロの状態です。血液がどろどろの状態では、血液の循環が滞ることで脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります。

そして、ドロドロの血液を改善させようとして身体が自然と水を欲するため無意識のうちに多くの水を飲み、結果としてトイレの回数がおおくなるというわけです。

2-2.排尿を操作する末梢神経が障害を受ける影響

糖尿病が進行すると、排尿を制御する末梢神経に障害が生じる可能性があり、これが頻尿の原因となります。

糖尿病によって排尿を制御するための末梢神経が影響を受けると、適切に膀胱の機能をコントロールすることが難しくなるんです。その結果、膀胱が満たされる前に排尿の衝動を感じるようになり、頻尿の症状が現れる可能性があります。

3.糖尿病以外で考えられる頻尿の原因

ここまで「糖尿病と頻尿」について解説をしてきましたが、頻尿の症状がでる原因は糖尿病以外にも多く存在します。

今回は、以下9つの原因について解説します。

3-1.習慣病頻尿

習慣的頻尿は、特に病的な要因がなく、日常の習慣や生活環境が原因となって頻尿の症状が現れるものです。家を出発する前や人との待ち合わせ前などに必ずトイレに行く習慣がある方は、トイレの数が増えることで「習慣病頻尿」となります。

回数が多い分、1回あたりの排尿量が少ないというのが習慣病頻尿の特徴です。頻尿以外の特徴が特にないようであれば、自宅をはじめとした安心できる場所でトイレを我慢してみることで改善する可能性があります。

3-2.過活動膀胱

過活動膀胱は、膀胱が活動を活発化することで、まだ尿が溜まってない状態で尿意を感じ実際に排尿してしまうという症状です。

尿路感染症や前立腺肥大症・膀胱結石・膀胱がんといった原因が考えられます。

3-3.不完全尿閉

不完全尿閉は、尿が完全に排尿されず、残尿が膀胱にとどまる状態です。排尿後も残尿感が続くことで、トイレに行く回数が増えることとなります。

主な原因は、前立腺肥大症や子宮がん・直腸がんなどです。特に、中高年の男性に多い前立腺の肥大は、尿道を圧迫し、尿の流れを妨げることで不完全尿閉を引き起こすことがあります。

3-4.夜間頻尿

夜間頻尿は、夜間に1回以上トイレに起きる状態のことです。なかには、夜間頻尿によって睡眠の質が落ち、ストレスになることがあります。

夜間頻尿の原因は主に加齢で、実際に70歳以上の高齢者の方は夜間頻尿の割合が多くなっています。

また、加齢以外にも前立腺肥大症や過活動膀胱が原因のこともあります。

3-5.多尿

多尿は1日の尿量が「3リットル以上」ある状態を指します。

糖尿病以外にも、多尿を引き起こす原因は多数存在します。腎臓疾患や尿崩症・摂取する水分量の増加・利尿剤の使用など、さまざまな要因が関わっています。

3-6.子宮筋腫

子宮筋腫は、女性の子宮にできる良性の腫瘍で、これが大きく成長すると、膀胱に圧迫感をもたらし頻尿の原因となることがあります。

子宮筋腫ができるはっきりとした原因はわかっていませんが、女性の生殖年齢帯で最も多く見られる良性の腫瘍です。日常生活に影響を及ぼすほどの頻尿や、他の症状(生理痛の増強、下腹部の違和感や痛み・貧血など)が現れた場合は、婦人科の受診をおすすめします。

3-7.前立腺肥大症

前立腺肥大症は、中高年の男性に多く見られる症状で、膀胱の下にある前立腺が大きくなり、頻尿を引き起こします。

頻尿以外にも、残尿感や排尿時の痛み、尿流の弱さといった排尿障害を伴うことがあります。前立腺肥大症の疑いがある場合、早めに泌尿器科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。

3-8.膀胱炎

膀胱炎は、大腸菌などの細菌が尿道を通って膀胱に侵入し炎症が起きることで、頻尿の原因となる病気です。その他の症状としては、排尿時の痛み、膀胱の痛みや圧迫感、尿に血が混ざることもあります。

特に、女性は尿道が短いため、感染がしやすく膀胱炎を発症するリスクが高まります。膀胱炎の症状がある場合、泌尿器科や婦人科を受診し、適切な治療を受けることが必要です。

3-9.心因性頻尿

心因性頻尿は、特定の身体的疾患に起因するものではなく、心のストレスや不安が原因で頻尿となる状態を指します。主な要因として、過度なストレス・不安などの心的要因が考えられます。

また、実際に排尿がある心因性頻尿と、排尿が伴わない心因性頻尿があります。

4.頻尿の症状が出たら病院を受診しよう

上記でご紹介をしたように、頻尿の症状が出ている方に当てはまる可能性のある病気は多く存在しています。そのため、自身がどのような病気にかかっているのかを自己判断してはいけません。

また、症状が認められる状態で放置をすることで、さらに悪化することもあります。

頻尿やその他の症状が出ていると感じたら、なるべく早めに病院を受診するようにしてください。

浅草橋西口クリニックMoでは、頻尿が起こる原因となる糖尿病をはじめとしてさまざまな体の不調・問題に対して適切に診察をさせていただきます。不安に思うことがありましたら、ぜひお気軽に当院までご相談ください。

5.まとめ

いかがでしょうか。この記事では主に、糖尿病と頻尿の関係について解説をしました。

糖尿病が原因で頻尿になることは十分に考えられます。ただし、糖尿病以外でも頻尿となる原因は多く存在するのも事実です。

頻尿でお悩みの方は、自己判断をせずに必ず病院へ相談し、正しい診察を受けるようにしましょう。

浅草橋西口クリニックMoでは、糖尿病をはじめさまざまな症状を診断させていただいております。体の不調でお悩みの方は、ぜひ当院までご相談ください。

このコラムの監修者

頴川博芸 エガワ ヒロキ

浅草橋西口クリニックMo

【経歴】
2016年 東海大学医学部医学科 卒業
2016年 順天堂大学医学部附属静岡病院 臨床研修医室
2017年 順天堂大学大学院医学研究科医学専攻(博士課程) 入学
2018年 順天堂大学医学部附属順天堂医院 消化器・低侵襲外科
2021年 順天堂大学大学院医学研究科医学専攻(博士課程) 修了
2021年 越谷市立病院 外科
2022年 順天堂大学医学部附属練馬病院 総合外科・消化器外科
2023年 順天堂大学医学部附属順天堂医院 食道・胃外科
2024年 浅草橋西口クリニックMo院長就任

【資格・所属学会】
日本専門医機構認定 外科専門医
日本医師会認定産業医
日本医師会認定健康スポーツ医
日本旅行医学会 認定医
東京都認知症サポート医
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会
日本温泉気候物理医学会
日本腹部救急医学会
日本大腸肛門病学会
順天堂大学医学部附属順天堂医院 食道・胃外科 非常勤医師
難病指定医
小児慢性特定疾病指定医

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