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粉瘤の見分け方とは?粉瘤とニキビ・イボ・せつ・脂肪腫・痔ろうの違い

[2024.09.12]

「皮膚のできものが粉瘤なのか気になる」「粉瘤の見分け方を知りたい」とお悩みではありませんか?皮膚疾患はさまざまありますが、粉瘤の特徴を知ることで自身でも見分けられることがあります。

そこでこの記事では、以下の内容について解説していきます。

  • 粉瘤とニキビの見分け方
  • 粉瘤とイボやせつの見分け方
  • 粉瘤と脂肪腫の見分け方
  • 粉瘤と痔ろうの見分け方
  • 粉瘤の悪性と良性は見分けられる?

この記事を読むことで、粉瘤をはじめとする皮膚疾患の特徴を正しく理解し、粉瘤との見分け方がわかるようになります。できものが粉瘤なのか気になる方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

1.そもそも粉瘤とは?

粉瘤とは皮膚の下にできる良性の腫瘍で、皮膚の細胞が袋状に形成され、その中に老廃物や皮脂が溜まることによって起こる皮膚の疾患です。見た目はしこりや小さなこぶのようで、顔や背中・首・耳の後ろなどにできやすくなっています。

通常は痛みを伴いませんが、細菌感染や炎症を起こすと赤く腫れたり、痛みを感じたりすることも。粉瘤は完全に除去しない限り再発することがあるため、皮膚科や形成外科などで摘出手術による治療が一般的です。

関連記事:粉瘤とは?できやすい人の特徴はある?治療方法や予防法なども解説

 

2.粉瘤とその他の皮膚疾患の違いや見分け方

粉瘤は、その他の皮膚疾患と外見が似ているため、見分け方が気になる方も多いのではないでしょうか。そこでここからは、粉瘤と以下の皮膚疾患との違いや見分け方を解説していきます。

  • ニキビ
  • イボやせつ
  • 脂肪腫
  • 痔ろう

それぞれ見ていきましょう。

2-1.粉瘤とニキビ

粉瘤は初期の段階では小さなしこりのように感じられますが、炎症を起こすと赤くなり、ニキビと間違われることがよくあります。ニキビと粉瘤は発生原因や治療法が異なるため、適切に見分けることが重要です。

2-1-1.ニキビの特徴

ニキビは、毛穴が皮脂で詰まり、アクネ菌が増殖することで炎症が起こり、赤く腫れるのが特徴です。一般的に、ニキビはしこりのような大きさにはならず、主に顔や背中、胸などにできやすいです。

ニキビが進行すると膿が溜まることもありますが、粉瘤とは異なり、元々しこりが存在しているわけではありません。また、粉瘤が年齢関係なくできるのに対し、ニキビは主に10代から30代の若い世代に多く見られます。

2-1-2.粉瘤とニキビの見分け方

粉瘤とニキビを見分けるときは、以下3つのポイントを確認してください。

表面にある黒い点

粉瘤には「へそ」と呼ばれる開口部があり、皮膚上に黒い点が見られることがあります。これは皮脂が酸化して黒く見えるためです。

ただし、ニキビでも同様の黒い点ができることがあるため、判別は難しい場合もあります。

サイズの違い

粉瘤はニキビと異なり大きくなりやすく、10cm以上に成長することもあります。

ニキビは通常それほど大きくならないため、見分けやすいポイントです。

悪臭の有無

粉瘤は老廃物が溜まるため、圧迫されると独特の強い臭いを放ちます。炎症が進むと、触れなくても臭いが感じられることも。

一方ニキビは臭いがないため、臭いの有無も見分ける際の重要な要素です。

ニキビの治療薬では粉瘤を治すことはできず、粉瘤をニキビのように潰すと悪化する恐れがあるため、正しい見分け方を知り適切な治療を受けるようにしましょう。

2-2.粉瘤とイボやせつ

粉瘤は時にイボやせつ(おでき)と見た目が似ていることがありますが、それぞれ原因や症状が異なります。

イボは主にウイルス感染や加齢によるもので、せつは細菌感染が原因で起こります。一方、粉瘤は皮膚の下に袋状の構造ができ、老廃物が溜まることによって発生します。これらの違いを理解し、正しく見分けられるようにしましょう。

2-2-1.イボの症状

イボにはいくつかの種類があり、主に「ウイルス性」と「加齢や紫外線」によるものに分類されます。

ウイルス性イボで最も一般的なものは、表面がざらざらしており、小さな隆起が多発することです。通常、痛みやかゆみは感じられませんが、足の裏にできるイボはタコやウオノメと間違えられがちです。これらは、表面の角質を削ると出血することがあります。

ウイルス性イボの治療には液体窒素を使うことが多く、複数回の治療が必要になることがあります。

2-2-2.せつの症状

せつは、毛穴や皮脂腺に黄色ブドウ球菌が感染することによって発生し、初期段階から赤く腫れてしこりのような状態になることが多いです。

せつが進行すると、膿がたまり痛みが増すため、早期の治療が求められます。場合によっては、切開して膿を排出する必要があるため、早めの医師の診断が重要です。

対して粉瘤は、初期には腫れを伴わないことが多く、時間とともに徐々にしこりが大きくなるという違いがあります。

2-2-3.粉瘤とイボやせつの見分け方

粉瘤、イボ、せつを見分けるときは、特徴の違いを意識して疾患部分を観察してみてください。

粉瘤とイボの見分け方

イボは皮膚の表面に小さな隆起ができ、多発することが一般的です。ウイルス性のものは、通常痛みがなく、角質を削ると出血することがあるため、これがイボの見分けポイントとなります。

またイボは粉瘤より比較的小さく、1cm程度の大きさであることが多いです。

粉瘤とせつの見分け方

せつは細菌感染によるもので、初期から赤く腫れ、しこりが感じられます。腋の下や鼠径部、お尻など、汗をかきやすい部位にできることが多く、痛みを伴うことが特徴です。

せつは、粉瘤と比較して急激に大きくなるため、見分ける際のポイントとなります。

それぞれの特徴を把握し、適切な治療を受けましょう。

2-3.粉瘤と脂肪腫

粉瘤と脂肪腫は、見た目が似ていることから混同されやすいですが、それぞれ性質が異なります。脂肪腫は脂肪細胞が増殖してできる良性腫瘍で、皮膚の深層に生じる一方、粉瘤は皮膚の下に袋状の構造が形成され、その中に老廃物が溜まることで発生します。

2-3-1.脂肪腫の特徴と粉瘤との見分け方

脂肪腫は柔らかくて弾力のあるしこりで、指で押すと皮膚の下で動くことが特徴です。通常、痛みを伴わず、触ったときの感触も柔らかく感じます。一方、粉瘤は比較的硬く、皮膚に密着しているため、触っても動きが少ないという違いがあります。

また、脂肪腫は表面がなめらかで、皮膚の下にあるため、見た目にはあまり目立ちません。これに対して、粉瘤は皮膚表面に膨らみが見え、炎症を起こすと赤く腫れることがあります。

2-3-2.脂肪腫の検査や治療方法

脂肪腫は多くの場合、痛みがないため放置されがちですが、大きくなる可能性があるため注意が必要です。「サイズが5cm以上」「形状が不規則」のような脂肪腫は、病院にて検査を受けましょう。

小さい脂肪腫であれば、日帰り手術での切除が一般的です。切除した脂肪腫は病理検査に出され、良性か悪性かが確認されます。早期に診断と治療を受けることで、不安を解消し、健康へのリスクを最小限にできるでしょう。

2-4.粉瘤と痔ろう

痔ろうは、主に男性に多く見られる病気で、肛門腺に細菌が感染して膿が溜まり、肛門周囲に腫瘍ができる状態です。粉瘤と痔ろうは、どちらも腫瘍の一種ですが、それぞれ異なる原因で発生します。

2-4-1.痔ろうの特徴と粉瘤との見分け方

痔ろうは、肛門と直腸のつなぎ目にある肛門陰窩から細菌が侵入し、炎症を引き起こして膿が溜まることで発生します。この膿が皮膚を突き破り、通り道が形成された状態を痔ろうと呼びます。膿が出ると一時的に炎症や痛みは軽減されますが、慢性的に膿や汁が出続けるのが特徴です。

痔ろうは自然治癒することはなく、放置すると複雑化や悪性化のリスクがあり注意しなければなりません。

痔ろうと同じく、粉瘤も肛門付近で発生することがありますが、炎症を起こさない限り痛みや膿が出ることは少ないです。また、粉瘤は触るとしこりがあり、表面にへそと呼ばれる開口部が見られることがあります。これらの違いを基に、症状が現れた場合は専門の医師に診断してもらいましょう。

2-4-2.痔ろうの治療方法

痔ろうの治療は手術が基本であり、他の方法では根治することができません。手術の方法にはいくつかあり、症状の重さやトンネルの深さに応じて選択されます。軽度の場合は日帰り手術が可能ですが、再発を防ぐために瘻管切除などの根治的な手術が必要な場合もあります。この場合、入院しての治療が必要です。

痔ろうの症状を感じたら、速やかに肛門科を受診し、適切な治療を受けるようにしてください。

 

3.粉瘤の悪性と良性は見分けられる?

粉瘤は基本的に良性の腫瘍ですが、まれに悪性化するケースがあるのです。悪性化した粉瘤では、特に「有棘細胞癌」や「基底細胞癌」が見られることがあります。

悪性の粉瘤は、急激に大きくなったり、潰瘍化することで発見されることが多いですが、良性の粉瘤でも十分に考えられる症状です。

そのため、皮膚科医や形成外科医による診断が重要であり、粉瘤の切除後には必ず病理検査をおこなわれます。経験豊富な医師でも、良性と悪性を見分けることが難しい場合があるため、専門的な検査を必ず受けてください。

 

4.まとめ

いかがでしょうか。粉瘤には「症状がゆっくり進む」「通常は痛みを伴わない」「中心に黒い点がある」などの特徴があります。

ニキビやイボ・せつ・脂肪腫・痔ろうなど、粉瘤と似ている皮膚疾患も多いですが、前述した粉瘤の特徴と見比べることで見分けることが可能です。

粉瘤は、早めに治療することで早期に回復を見込めます。炎症化する前に粉瘤かどうかを見極め、適切に処置をしてもらいましょう。

浅草橋西口クリニックMoでは、粉瘤をはじめとしたさまざまな皮膚疾患に対しての診療をおこなっています。「皮膚にできものができた」「炎症が起きて痛い」などのお悩みがある方は、ぜひ一度当院へご相談ください。

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