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蜂窩織炎の恐ろしさ【浅草橋西口クリニックMo 皮膚科】

[2023.07.30]

蜂窩織炎の恐ろしさについて知りたいと悩んでいませんか?

蜂窩織炎は重篤な状態に進展する可能性のある非常に恐ろしい病気の1つです。

本記事では、蜂窩織炎の恐ろしさと併せて、蜂窩織炎の原因や症状、診断、治療などについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

なお、当院(浅草橋西口クリニックMo 内科・泌尿器科・皮膚科)では数多くの皮膚科の患者様が受診され、診療、診断・治療、予防・療養上のアドバイスを行っております。

それらの知見も含めてご説明します。

 

 

【蜂窩織炎とは】

【蜂窩織炎とは】

蜂窩織炎(ほうかしきえん)は、皮膚およびその下の組織に発生する感染症です。

通常、細菌感染によって引き起こされます。

主にStaphylococcus(黄色ブドウ球菌)Streptococcus(連鎖球菌)などの細菌が原因となりますが、他の細菌によっても引き起こされる場合があります。

 

蜂窩織炎は、感染が皮膚の深い層(皮下組織)で進行することで特徴づけられます。

通常、創傷、虫刺され、手術部位、または他の皮膚感染症から感染が始まることが多いです。

感染が進行すると、感染部位が腫れ、赤くなり、熱感や痛みが生じます。

 

重要な点として、蜂窩織炎は急速に進行する傾向があります。

感染した部分から周囲の組織に急速に広がるため、治療が遅れると深刻な合併症を引き起こす可能性が高まります。

 

蜂窩織炎の治療には、主に抗生物質が使用されます。

しかし、症状が重篤である場合や抗生物質が効果的でない場合は、手術が必要となることもあります。

治療の遅れを防ぐために、早期に医師の診断と適切な治療を受けることが非常に重要です。

 

蜂窩織炎は高齢者や免疫力が低下している人、糖尿病患者、慢性疾患を抱えている人などのリスクが高くなることがあります。

これらの患者様は特に注意が必要です。

 

 

蜂窩織炎の【5つの原因】

蜂窩織炎の【5つの原因】

蜂窩織炎の主な原因は細菌感染です。

一般的に、Staphylococcus(黄色ブドウ球菌)やStreptococcus(レンサ球菌)などの細菌が蜂窩織炎を発症させることがよくあります。

これらの細菌は通常、皮膚の表面に存在し、傷口や切り傷、虫刺され、手術の傷などから侵入し感染の入り口となります。

 

① 皮膚の創傷

皮膚に傷がついたり切れたりすることで、細菌が入り込み感染を引き起こすことがあります。

 

② 虫刺され

虫に刺された際に、細菌が刺し口から入り込み感染を起こすことがあります。

 

③ 手術部位

手術による傷口が感染の入り口となることがあります。

手術後の傷口の適切な管理が重要です。

 

④ 他の皮膚感染症

他の皮膚感染症(水虫など)が未治療のまま放置されると、感染が深部に広がり蜂窩織炎を引き起こすことがあります。

 

⑤ 免疫機能の低下

免疫機能が低下している人々は、細菌感染に対する抵抗力が弱くなるため、蜂窩織炎に罹るリスクが高まります。

 

蜂窩織炎は感染症であり、感染が深部に広がることで炎症が拡大し、重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、早期の治療が非常に重要です。

また、感染を予防するために、創傷の適切な処置や手術部位の清潔な管理などが重要となります。

 

 

蜂窩織炎の【6つの症状】

蜂窩織炎の症状は、感染が進行するにつれて徐々に現れることが多いです。

蜂窩織炎の【6つの症状】

① 皮膚の腫れ

感染部位が急速に腫れることがあります。

蜂窩織炎は皮膚の深部に感染が広がるため、表面的な腫れよりも深部の腫れが特徴的です。

 

② 赤み

感染部位は赤くなります。

炎症によって血液が集まるため、赤く見えます。

 

③ 痛み

感染した部分に強い痛みを伴うことがあります。

触れることや圧力をかけることで痛みが増します。

 

④ 熱感

感染部位が熱く感じることがあります。

これは炎症による血液の集まりによるものです。

 

⑤ 発熱

重症の蜂窩織炎では、全身的な症状として発熱が見られることがあります。

 

⑥ 膿の排出

感染が進行すると、膿(うみ)が患部から排出されることがあります。

これは感染組織の壊死や膿のたまり具合によるものです。

 

これらの症状が現れた場合は、蜂窩織炎の可能性を考慮して早急に医師の診断を受けることが重要です。

蜂窩織炎は感染が深部に広がり、重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、早期の治療が必要です。

 

 

蜂窩織炎の【診断】

蜂窩織炎の診断は、症状や身体所見、および必要に応じて検査を行うことによって行われます。

蜂窩織炎の【診断】

① 症状と身体所見の評価

蜂窩織炎は、皮膚の腫れ、赤み、熱感、痛みなどの症状を伴います。

また、感染部位の境界がぼやけていることも特徴的な所見です。

 

② 病歴の問診

病歴を詳細に問診します。

特に、創傷や虫刺され、手術の経歴など、感染の入り口となる可能性のある事象を尋ねることがあります。

 

③ 検査

必要に応じて、感染部位から採取したサンプルを検査することがあります。

このサンプルは細菌の検査を行い、感染を引き起こしている細菌の種類を特定します。

また、血液検査を行うことで全身の炎症反応を評価する場合もあります。

 

④ 他の疾患との鑑別

蜂窩織炎の症状は他の皮膚感染症や炎症性疾患と類似していることがあります。

そのため、医師は他の疾患との鑑別を行い、正確な診断を下すために必要な場合があります。

 

蜂窩織炎の診断は、症状と身体所見に基づいて医師が行いますが、病歴の問診や検査の結果も重要な要素です。

早期の診断と適切な治療が重要ですので、症状が現れた場合は速やかに医師の診察を受けることが大切です。

 

 

蜂窩織炎の【治療】

蜂窩織炎の治療は、感染を鎮め、炎症を抑えることが主な目的です。

蜂窩織炎の【治療】

① 抗生物質の使用

蜂窩織炎は細菌感染によるものが多いため、抗菌薬が主要な治療法です。

抗生物質は、感染を引き起こしている細菌を殺菌または増殖を抑える働きを持ちます。

 

② 炎症の抑制

蜂窩織炎は炎症が強い状態を示すことが多いため、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの薬剤を処方することがあります。

これにより、痛みや腫れを軽減することができます。

 

③ 創傷ケア

感染部位の適切な創傷ケアも重要です。

清潔に保ち、必要に応じてドレッシングを行うことで感染の拡大を防ぐことができます。

 

④ 安静

感染部位の周囲に過度の圧力をかけないようにするため、安静にすることが勧められることがあります。

 

⑤ ドレナージ

膿が感染部位にたまっている場合、医師が適切な判断でドレナージ(排液)を行うことがあります。

 

蜂窩織炎は感染が急速に広がる疾患であり、重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、早期の治療が非常に重要です。

自己判断せず、専門の医師に相談し、適切な治療を受けるようにしてください。

 

 

蜂窩織炎の恐ろしさ

蜂窩織炎の恐ろしさ

蜂窩織炎は、通常、早期に適切な治療が行われれば、ほとんどの場合は問題ありません

しかし、重篤な合併症が発生することもあります

 

① 敗血症(はいけつしょう)

蜂窩織炎は感染が広がりやすく、血流に乗って全身に感染が拡大する可能性があります。

これにより、全身の炎症反応が誘発され、敗血症が引き起こされることがあります。

敗血症は生命を脅かす状態であり、早期の治療が必要です。

 

② 膿瘍(のうよう)

蜂窩織炎によって感染が深部組織に進行すると、膿瘍が形成されることがあります。

膿瘍は膿が溜まった袋状の病変であり、治療が難しく、点滴や入院、手術が必要な場合があります。

 

③ 壊疽(えそ)

蜂窩織炎によって血液供給が阻害されることで、組織が壊死(壊疽)する可能性があります。

壊疽は組織が死んでしまうことを意味し、感染の広がりやすい状態となります。

 

これらの合併症は蜂窩織炎が重篤化した場合に見られるものであり、普通の蜂窩織炎の場合はこれらの合併症が発生する確率は低いです。

しかし、早期の診断と適切な治療が重要であり、感染が広がる前に適切に対処することが重要です。

症状に不安を感じる場合は、早めに病院・医療機関に相談するようにしましょう。

 

 

【まとめ】

【まとめ】

いかがでしたでしょうか。

本記事では、蜂窩織炎の恐ろしさと併せて、蜂窩織炎の原因や症状、診断、治療などについて記述させていただきました。

蜂窩織炎は早期治療が大切な皮膚疾患です。

蜂窩織炎でお困りの際は、是非当院(浅草橋西口クリニックMo 内科・泌尿器科・皮膚科)にご相談ください。

このコラムの監修者

頴川博芸 エガワ ヒロキ

浅草橋西口クリニックMo

【経歴】
2016年 東海大学医学部医学科 卒業
2016年 順天堂大学医学部附属静岡病院 臨床研修医室
2017年 順天堂大学大学院医学研究科医学専攻(博士課程) 入学
2018年 順天堂大学医学部附属順天堂医院 消化器・低侵襲外科
2021年 順天堂大学大学院医学研究科医学専攻(博士課程) 修了
2021年 越谷市立病院 外科
2022年 順天堂大学医学部附属練馬病院 総合外科・消化器外科
2023年 順天堂大学医学部附属順天堂医院 食道・胃外科
2024年 浅草橋西口クリニックMo院長就任

【資格・所属学会】
日本専門医機構認定 外科専門医
日本医師会認定産業医
日本医師会認定健康スポーツ医
日本旅行医学会 認定医
東京都認知症サポート医
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会
日本温泉気候物理医学会
日本腹部救急医学会
日本大腸肛門病学会
順天堂大学医学部附属順天堂医院 食道・胃外科 非常勤医師
難病指定医
小児慢性特定疾病指定医

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